言の笹舟 web小説レビューサイト

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これはチートなのか 03



 生き返ったと思ったらすぐに死んでしまった俺なんですが……
 二度目の死亡後は白い世界に戻ることなく、どこぞの赤ん坊に転生したようで。

 けど、テンプレみたいに両親の会話から自分の名前を知ったりなんかはありませんでしたよ。
 お約束っていうのはできなければできないで微妙にもやもやが。
 まぁ口が裂けたって「知らない天井だ……」なんてのは口にはしないけど。








 なぜ名前を知ることができなかったかというと。
 視界はぼやけているは聴覚ははっきりとしないはで周囲の状況はさっぱりなんですよねー。
 これじゃ、こっちの言語を覚えるなんてまだまだ無理っぽいわ。
 感覚的に「母乳与えられているなー」「おしっこしてるなー」というのは伝わってくるんだけど、乳首くわえたり、排泄するっていうのは本能にお任せの全自動なんで、自分の意思によって体を動かしているという感覚はほとんどない状態。思い通りに自分をコントロールするにはもうちょい成長しないと無理そう。切実に待ち遠しすぎる。

 俺が俺として体を動かせるようになるというのなら、俺はオムツ替えという屈辱だって甘んじて受け入れちゃいますって。
 白い世界に精神体でいた経験がなかったら発狂していたっておかしくないぞ、コレは。

 で、意識ははっきりとしているという異常な赤ん坊たる俺がどうヒマを潰しているかっていうと――


 魔法の勉強をしているんですよね。早熟すぎる俺ー。










 こないだは能力を調べようとしたとたんに死んでしまったのでちょっとしたトラウマになっていたんだけどな。
 あまりにヒマでヒマで、勇気をだしてやったらどうにかなっちゃったり。
 その結果、俺に与えられた能力の大半は把握済みに。

 なんだが――俺のイメージとはちょい違うものだったり。
 
 俺の思い浮かべていたのは、ごにょごにょと呪文を唱えたら掌から火の玉が飛び出るようなおとぎ話に出てくるタイプの魔法使い。

 最近の漫画によく出てくる科学のような魔法使いじゃないんだよ。
 プログラムみたいに魔法の構成弄れるタイプのは、プログラミングを学んだことのない俺にはノーサンキューなわけ。
 転生してまで理系には苦しみたくないのよ。


 だというのに、俺に与えられたのは『VRMMORPGみたいな魔法システム』!


 ほらあの漫画や小説にのみ登場する、将来実現するかどうかもわからない、ゲームの世界に入り込んだ感覚で操作できるゲームに実装されると目されるシステム。脳裏にウィンドウが表示されて、そこで操作をすることでいろんなことができるやつだよ。それが魔法関係だけとはいえ俺に組み込まれている……なにこの凝り様。
 最初はほんとVRMMORPGっぽい世界に転生してきたのかと思ったけど、どうも能力のみみたいっぽい。

 普通の人間の感覚をパソコンのモニター画面にたとえるなら、そこから視線をずらして壁にかかっているカレンダーの書き込みをチェックしたり窓の外の景色を眺めるように、意識の外にあるウィンドウを認識する感覚が掴めている。なんともいえない不思議な意識の仕方なんだが、普通の五感とウィンドウを同時にわかってしまうのだから俺としては受け入れるしかない。たぶんこの先成長していって本を読むときがきても、読書しながらウィンドウを操作するっていうこともできそうな、ウィンドウ限定のマルチタスクができているようなもの。

 そしてそのウィンドウには『ステータス』『魔法を使う』『魔法一覧』『MP変換』『開発』の五つのコマンドがあったわけで。




 まずは『ステータス』なんだが、これは自分のMPがわかるというものだった。
 HPとか状態異常は表示されていない。MP関係のみだ。

 MP 28/53
  次の上限UPまでには 31 の経験が必要です
  MP回復まで 2分23秒 です  
  
 と――表示されている。ちなみにすでにいくつか試行錯誤しているためMPは減っているし、何度か上限UPは経験している。初期MPは50だったから。どうやらMPを1消費するごとに1の経験をしたことになり、上限MP+1の経験を積むことによって上限が1増えるようだ。ちなみになんの効果音もないのは地味にがっかりだった。
 MPは五分ごとに1ずつ回復しているようだな。
 この回復速度は今後ずっとこのままなのかどうかは不明。要調査だな。




 そして、『魔法を使う』というのを選ぶと別のウィンドウが表示される。
 ここにはずらーっと魔法名ってのが並んでいるんだが、どういう魔法がいいのかって念じるとすぐに検索されて、それだけが表示されるようになる。便利なんだが、ちょっと細かい条件で絞り込むとすぐに〔該当する魔法はありません〕と返ってくるから微妙だ。どうやら使い方を工夫すればたいていの状況に対応できる――という程度の魔法しか用意されていないらしく、ざっと数えてみた感じ、250-300くらいの魔法しかないようだ。ゲームだったら多すぎるというところだけど、生活に役立つもの、商売に役立つもの、自衛に役立つもの、攻撃に役立つものと考えていくとちょっと少ない。とくに現代日本の生活に慣れている俺がそのランクの暮らしを再現しようとするならば致命的に足りていない。

 けどまぁ魔法の使うときの容易さはほんと異常な領域だ。
 ウィンドウに表示されている魔法を選択すると――例えばライトの呪文なら〔持続時間を選択してください〕という文字が表示されて、「10秒」と念じたらそれだけで発動する。口にする必要も、杖を持つ必要もない、馬鹿にだって使えるシステムになっている。反応だって悪くないから、慣れればすぐに発動させられるようになるだろう。
 この世界の本来の魔法はどういうものなのかまだわからないけど十分チートっぽいな。




 あと『魔法一覧』のほうは同じように魔法名が表示されるウィンドウが出てきて、選択すると、その説明が表示されるっていうもの。
 できること、できないこと、消費MPなどの説明文が詳しくあって、基本的にこの説明を読むことで暇つぶししている。
 このあたりはゲーム感覚で学習していけるからほんと時を忘れる。




 そして、『MP変換』はよくわかっていない。
 これを選択すると、さらに『体力をMPに変換する』『魔力をMPに変換する』『アイテムをMPに変換する』『寿命をMPに変換する』の四つが表示されるけど、いまだにどれも試していない。体力を無駄に使ったら赤ちゃんなんてすぐに風邪ひくだろうし、アイテムなんてそもそも持っていないし、寿命なんてのは今後一切選択するつもりがないし。残った魔力は選んでみようとしたけど〔前提スキル≪魔力コントロールLv1≫を所持していません〕と表示されただけだった。
 スキルの存在はわかったけど、このスキルの習得方法はさっぱりわかっていなくヒントもないんだよな。
 もしかするとこの世界の魔法技術が関係しているのかもしれない。
 これまた要調査だよなー。




 一番面白かったのは『開発』だ。
 選択すると、『アレンジ』『新規魔法の開発』の二つがある。

 アレンジのほうはすでに恒例となっている魔法一覧の中から一つ魔法名を選び、そしたら表示されるプログラムのようなものを弄って、別の魔法として命名して登録するっていうシステムだ。けっこう感覚的に操作できるので、俺は試しに≪ライト≫の魔法を光量最大・持続1秒に固定、持続時間の確認メッセージは省略にした≪閃光弾≫っていうのを作ってみたけど……うん、赤ん坊には使い道ないよな。テストすらできない。ちょっと馬鹿になっていたようだ。
 どうも変数や一部の機能のオンオフくらいなら簡単に変更できるようだけど、まったく新しい機能はどうしたらつけれるのかわからず、まだ手を出していない。暴発したら恐いからなー。

 そして、『新規魔法の開発』は〔開発したい魔法をイメージしてください〕というウィンドウが表示されたら妄想するだけらしい。そしたら、〔この魔法を開発するには ○○時間 かかります。よろしいでしょうか? YES/NO〕とメッセージが出るので、それだけの時間をかける価値があるのかどうか最終確認するだけでいい。
 どうやら難しい魔法を開発しようとすれば膨大な時間がかかるらしく、現代日本に転移する魔法を願ってみたら30年かかると返されてしまった。戻れることには戻れるみたいだけど、一度に一つずつしか開発はできないようなので今はやめておくことにする。最悪、どうしても戻りたくなったらコールドスリープの魔法を開発してからすればいいのだから焦ることはない。
 まぁこの世界に研究職の魔法使いがいるなら喧嘩売っているような能力だよなー。
 俺は、術者の抵抗力を高める魔法をイメージして≪医者殺し≫を開発してみたけど10日しかかからなかったし。
 まさに開発チートっていうやつだった。












 ンな感じで、自分の能力を把握してからけっこうな期間が経過していたりする。
 今は、両親にバレないように行使できる魔法を開発して、地道にMP上限を増やしているところで。
 頑張れば頑張るほどに伸びていくのがけっこう楽しくてちょうどいい暇つぶしになっている。


 ところで。
 赤ん坊というのはいったいいつごろから耳が聴こえるものなんだろうな?
 おそらくすでに三カ月は経過してると思うんだが。
 目のほうは抱きかかえられているとき、抱いてくれている相手の顔を見えるくらいには発達してきたっていうのに……


 ――これって聴覚障害じゃね?




【説明書はよく読みましょう。説明書がないならたぶん8割くらいしか把握できないと思うけど手探りで頑張りましょう】




 
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