言の笹舟 web小説レビューサイト

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これはチートなのか 02



 1.黄金律(ギルガメッシュ)
 2.その世界の技術全対応の世界図絵のようなもの(綾瀬夕映)
 3.全盛期の一方通行クラスの演算能力(一方通行)
 4.ゼロの使い魔の加速(ジョゼフ)

 考えに考え抜いたあげくにこの4つの能力に俺は絞ったわけなんだが……


「駄目だな」

「ダメですか?」

 あっさりとボツをくらっちまったよ。










「まずは黄金律だが、いくらなんだってチートすぎてゲームがつまらなくなるだろうが。ランク下げたらどうにかなるけど、そうするくらいなら別の能力にしておいたほうがいいぞ」

 俺にとってはゲームはどうでもいいことだからって無茶言い過ぎたか。そっか。問答無用に金銭には困らなくなるつーのがこの能力のメリットなわけで、劣化して小遣いがちょい増えるくらいなら、お金稼ぎに"も"使えるっていう別の能力にしといたほうがよさそうだ。しっかし、わざわざ注意してくれるなんて、神様、実はけっこういい人(?)なのかも……親切だよなー。
 はぁ、けどお金っていうのは他の"力"と交換しやすい利便性の高い力なのに残念だな。


「特別バージョンの世界図絵は流石に範囲広すぎるな。魔法に限らず、何か一つに絞るなら大丈夫だ」

「あの、あえて原作のままにしなかったというと、これからいく世界に魔法があるかどうかわからなかったなんですが……魔法に絞ったのに魔法のない世界に行ってしまったらどうなるのでしょうか?」

「白紙だらけの書になるな」

 ギャンブルすぎるなー。リスクを覚悟してまであえてこの能力にする気にはならないって。
 わかっているつもりだったがやっぱどんな世界にいくのかわからないってのは厄介だ。


「演算能力くらいなら普通は許可するんだが……てめぇ、一方通行だけじゃなく、リリカルのマルチタスクできるようにとか、9Sの演算による戦闘能力とか、思考加速とか、ウィザーズ・ブレインの『破砕の領域』『虚無の領域』とか……いくらなんでも欲張りすぎるだろうが。能力貰ってからその範囲内で応用考えるっていうのはいいけどな、これは複数相応の能力と判断するしかなくなるから全面禁止だ」

 ちらっと「いけるんじゃね?」と考えただけなのに見破られているなぁ。
 センサー系の魔法と併用して、指ぱっちんひとつで破砕の領域とかやってみたかったんだけどなー。


「加速はかまわないが、虚無は寿命を縮めるってことを忘れているぞ? いいのか?」

「ご忠告感謝です。そのデメリット、盲点になっていました」

 あー……そういやそういう設定あったよな。
 便利だが、ンな心臓に悪そうな呪文は気軽に使えないからやっぱないな。
 しかしこんなに優しい神様ならまじ信仰しちゃいそうだ。
 来世は無神教やめようかな。


 となると、どうするかな?
 地味に使える能力をいくつか選ぶかな。

 そんな風に俺は考えて……




「てめぇはどうやら無難に生きていこうと能力を考えてるようだな。まー、どんな世界にいくかわからねーぞと脅したんだからそうなっちまうかも無理ねぇが――思い出せよ、てめぇの願いを。理屈じゃなく、心の底から欲したものを。憧れたんだろ? どんなときにも笑っていられるヤツを。なにもかも見通しているようなヤツを。    を!」


 俺には神様が何を言っているのかよくわからなかった。
 けれど、おれのなにかに響くものがあった。

 メルヴィ――


「神様」

「なんだ?」

「『複数相当の能力にあたいすると判断されるほど複雑な能力はダメだとかあるが、応相談』なんですよね?」

「一字一句覚えてるならそう言ったとわかるはずだぜ」

 喉が渇く。

「だったら、4つの能力枠すべてを使い切って複雑な能力を貰うってことはできますか?」

「ずいぶんと面白いことを思いつくな。一応、言ってみな」

 心持ちツバを飲みこむ感じで一息いれて、おれは、その思いつきを言葉にした。

「魔力チート。ある程度の状況に対応できるだけの魔法知識。魔法を開発する力。そして、魔法のない世界だからとか杖がないからとか喉を潰されて詠唱できないからとか媒体がないからとか……そういう魔法を使えない状況でも魔法を使えるようになる能力。これらの4つ、互いのメリットを潰さないように調節してっていうのは可能ですか? 俺は――おれは、魔法使いになりたいんです」














 神様は「細部の調整は俺様に任せるっていうのならいいぜ」と言ったので、俺は、それを最終決定とさせてもらった。
 そしたらすぐに辺り一面が白く光り輝いて。

「まぁ、頑張れや」

 という一言とともにわけわかんなくなってしまい、気付いたら平原にいたわけだが……
 異世界トリップってこんなものなのかね? あんま実感ないな。








 どうやら見回せる範囲内には人はもちろん動物やモンスターっぽいのはいないので今のうちに状況を確認しておくことにする。
 ……モンスター、いないよな? 普通の雑草に擬態している食肉植物とか、透明な怪鳥とか、地面潜ってくる魔物はいないよな? と、不安になってきたけど肉眼以外の確認方法はないのでその不安は殺しておくことにする。なんかよくわからない異世界にきてしまったことで心配性になってしまっているようだが、この注意深さは今後役立つこともあるだろう。

「服ある靴あるっていうのはありがたいな」

 死後の世界にいたとき、衣服とかぜんぜん意識できていなかったからどうかなっと思ったけど、ちゃんと着ている。
 どうやら死んだときに身につけていたものは全部あるみたいだった。
 なぜか包丁に刺された痕跡はないようだ。
 とはいっても、コンビニATMにお金おろしにいっただけだからたいしたものはない。

「ジーンズにシャツと柄パン一丁……あとは財布に携帯にティッシュくらいか。あっ、腕時計もあるな」

 わざわざ口に出さなかったけど靴下とスニーカーもある。

 けど、それだけだった。
 地図とか食料とか水筒とか――視界の範囲内にはない人里にいくのに必要になりそうなものはまったくなかった。
 はっきりいっていきなりピンチだった。
 どの方向に進むのかっていう選択に失敗したらバットエンドになりかねない。
 バトル・ロワイアルだってリュックと水の入ったペットボトル、なんか武器くらいあるのに……

 これは選んだ能力によってはほんとにヤバくならないか?
 まぁ、平行世界にいる同胞たちを気にしたってしょうがないのだろうけど。

 まずは能力を確認することにした。
 ちなみにメールとかに能力の説明とかないかなってチェックしてみたけど新着0でした。なので電源切っておくことにする。

「そういえば転生転生って言っていたからてっきり赤ん坊からやり直すのかなって思ったけど……これじゃ異世界トリップだなー」

 そうなんとなく呟き、能力を確かめようと念じたその瞬間。

『これだけはほんと悪いと思うんだがよ。転生のため、あらためて死んでくれ』

 思念(こえ)と激痛が。

 ――心臓ってこんなに神経通っているのかよ。 

 包丁に刺されての出血死とはまた違う、体が中から破れるような痛みを初体験した俺は倒れたのだった。




【プロローグっていうのは裏技の宝庫。実は能力を確認しようとしなかったらしばらく生前の身体で行動可能だったり】




 
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