言の笹舟 web小説レビューサイト

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これはチートなのか 01



 ……いやさ。こんなに俺って不幸だったのかよ?

 俺は死んだよ。殺されたよ。両親よりはやくに亡くなってしまった親不孝者だよ。
 自宅付近の裏路地に停まっているタクシーをなんとなく覗いたら、血まみれの運転手と包丁を持った男を見てしまい、逃げようとしたけど足をもつれさせて転んで、飛び出してきた男にメッタ刺しにされてしまったんだ。大声は上げといたから犯人捕まってればいいんだけどなー。自分の葬式見ることなく気付いたら『ここ』にいたからそのあとどうなったのかはさっぱりすぎる。








 で。

 俺の言っている『ここ』ってのは真っ白い空間なわけで。
 なんにもないのに柔らかい光はどこからともなく満ちている不思議なところだった。
 地面はない、壁はない、天井はない。
 普通だったら頭がおかしくなってしまいそうなところなんだけど……

(俺、死んでいるからなー)

 肉体を持ってないわけだから"視て"いるのは肉眼じゃなく、五感すらないこの幽体なので、問題はなかったりする。
 死んでから第六感に目覚めるとは。生前に目覚めていたら女子更衣室覗き放題だったかもしんないのに。

 と――のんびりとぷかぷか浮いてたら。


「おいおい、なんだこりゃ……死にたてだっていうのにやけに落ち着いているじゃねーかよツマラネー」


 聞きなれない思念(こえ)が。

 この真っ白い空間のどこからなのかよくわからないけど届いてきた。

「どなたですか?」

「神だ」

 うんまぁいいだろう。俺は無神教だけど、死後の世界で超越存在に出会うってのは受け入れられない話ではない。
 まぁとりあえずは慎重に接しておくか。

「どこにおられるのですか?」

「わかんねーのかよ。てめーの視えている範囲の『全て』が俺様なんだよ。そうだな、簡単に言えば神の胃袋の中にいる状態ってことだ。食うわけじゃないけどな」

 でっかすぎるんじゃないかな、神様。
 しかし、どこぞのテンプレ小説みたいに幼女だったり薄汚いジジイだったよりするかは『らしい』のではないかな?

「あの……私はこれからどうなるのでしょうか? 神様」

「てきとうな世界に転生してもらう」

 えっ、ここでなんでテンプレート設定くるんだよ。
 よくある間違って殺してしまったから転生させてやるっていう展開?

「馬鹿いえ。俺様がミスるようなことがあったら大津波で日本沈没しているって、良くて。人一人の生き死にに関わるようなちまい仕事はやってねーよ」

 ですよねー。
 って、俺口に出していた?

「人間ごときの思念読むくらいわけねーよ」

「それは……御見逸れしました」

 じゃあ神様信じていなかったてことバレてるの? なんとなく凄そうな存在だから心持ち口調丁寧にしておこうとしてたのバレてるの?
 
「てめーらごときの信仰心なんてどうでもいいからさっさと話を進めるぞ」

 なんか助かった!

「それで、転生とはどういうことでしょうか?」

「神々っていうのは大昔から人間の魂で遊んできたわけだ。ヴァルハラだのといって戦士を集めて、血みどろの死闘で賭けごとしたりな。人間でいうところの闘鶏だの闘犬だのにあたる遊戯よ。けどよ、そういう遊びにだって流行り廃りってのはあってな。最近流行っているのは、日本の漫画とかによくあるファンタジー……実存しない架空の世界観をてきとうに再現して、そこに人間を放り込み、賭けごとのネタにするってやつだ」

 うん、神ってそんなもんだよね。
 ギリシャ神話とかに詳しいわけじゃないけど神様は理不尽なものだっていうことくらいはわかる。
 全知全能の慈愛に満ちあふれた神様なんてのはそれこそ実在しない架空の存在みたいだ。
 人間だって例えにあった闘犬だのやっているわけだから文句は言えないか。

「なんだずいぶん受け入れがはやいな? 抗議の一つでもするかと思ったんだが」

「文句言ったら、美人天使と美少女の天使見習いに囲まれた天国ハーレムを築けるっていうならいくらでも文句言いますよ? けど、そうじゃないんでしょう」

「物分かりのいいことはいいことだ」

「あの、これはたんなる好奇心なのでお答えにならなくてもいいのですが……なぜ僕が選ばれたのですか?」

「管理ナンバーが777777777だったから、なんか運よさそうだなって」

「7億7777万7777って……これまでに産まれてきた命はもっとあるはずなんですけど……」

「ああ、動物は数えてねーんだ」

「いやいや、現在の地球の総人口は60億人くらいのはずですって」

「だからそのうちの動物は数えてねーんだって」

 ……これ以上追及しないほうがよさそうだ。

「では、賭けごとはどういうルールになっているのかを説明してもらいです」

 あれかな? 転生者同士で殺し合い? 殺したら相手の能力を奪えるっていうデスゲーム?

「惜しいな。それは前回のルールだ」

 前回じゃなくてよかった!

「今回はそうとう待遇はいいほうだぞ。ファンタジー世界をまったく同じ条件でいくつも用意して、一つの世界に一人の転生者を送り込み、『一番幸せになれるのは誰か』ってのを競おうってんだからな。ほんとラッキーだぞ。ルーレットの玉がもう一つ先に落ちていたら『一番同性にケツを掘られるのは誰か』っていうレースになっていたんだからよ。呪いつきで」

 死んだくらいで不幸だといってごめんなさい! 俺はとびきり幸運ですっ!!
 
「なにをどう幸運かっていうのはてめーの満足度の合計ポイントで判断されるが――気にすることはねぇ。一位になったからって賞品があるわけじゃないしな。第二の人生をてきとうに楽しめばそれでいい。普通は死んだら消滅するだけなんだからな」

「それであの、能力なんかはいただけるのでしょうか?」

「一つから五つまでを配布するルールだ。てめーは下手に逆らったり暴言吐かなかったら四つにしといてやる」

 やった! 長いものには巻かれてよかった。
 MAXの5つっていうのはもっと攻めた対応をして気にいられないとダメなんだろーな。
 一歩間違えれば消滅させられる綱渡りは渡りたくないから4つなら上出来だ。

「あらかじめ言っておくがよ、送られる世界の特徴は教えねーからな。戦闘系ばっか選んだのに平和なところにいくこともあれば、その逆もあるけど、文句は受け付けねーぞ」

「はい、ではバランスよく決めさせていただきます」

「それとな。万能系の能力は不可だぞ。空想具現化だの黄金練成(アルス=マグナ) だのは禁止だ。あとはその世界における神殺しに特化したら能力ならいいが、直死の魔眼とやらで俺様に斬りかかってくる馬鹿は消滅させたからな」

 ンな馬鹿がいたのか。ネット小説だからこそのネタと現実をごっちゃにするなよ。

「あとは複数相当の能力にあたいすると判断されるほど複雑な能力はダメだとかあるが、それは応相談だな」




「さぁ、てめーはいったいどういう能力を選ぶ?」


 どうしましょうかね?




【能力チョイスは超重要。けど、強力すぎる能力はランクダウンさせられるから欲張りすぎるとよくないです。神様に相談すると吉】




 
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