言の笹舟 web小説レビューサイト

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アンチじゃない! 01



 ここではないどこかで。
 闇の中。
 その対話は交わされていた。

「つまりは、漫画の世界にいってその世界をズタボロにしてこいと?」

「ああ……この≪地球≫にある創作物の大半は、特別に、平行世界の出来事を描くように操作されているものにすぎない。そして、登場する『主人公たち』たちはその世界の中心人物。彼ら彼女らをバットエンドに導けば、世界すべてに終焉はもたらされる――それほどの重要人物こそが『主人公たち』として描かれているよ」

「へぇ……じゃあ、脇役を数万人くらい核爆弾とかで吹っ飛ばしても?」







「形は変われどストーリーは続くだろうね。
 だが、それは望ましくはないこと。世界には『主人公たち』ごと散ってもらわなければならない」

 悪意が潜んでいればまだマシだった。
 淡々と。
 ビジネスライクに。
 両者は【世界を滅ぼす】というとてつもなく悪辣なことを話し合っていた。

「これは興味本位の質問なんだが――
 だからとくに答えなくてもいいけど一応は聞いておく」

 青年は、そう前置きをしたうえで質問し。

「なぜ世界を滅ぼすんだ?」

 影は、いまさらその質問か、と笑った。


「根引きだよ」

「なんだ、そんな理由か――真っ当すぎてつまらんな」

「あはははははははは!」


 その青年はあまりに予想外だったのだろう。影はしばらく腹を抱えて笑っていた。

「はっ。世界一つどころかいくつも滅ぼすことを真っ当というのか、お前は」

「その世界に吸われるはずだった養分をお前の世界のものにするのだろう? 生存競争は極めて当たり前のことだ」

 笑われているのに顔色一つ変えないまま青年はそう言い切った。

「これはまぁなんとも頼もしいことだね。くくくっ、お前の送り込まれる世界に同情してしまいそうだよ……」

「虚言はほどほどにしておけ。格を下げるぞ」

「そういうなって。せめて『犠牲になる世界には申し訳ないけど僕らの世界を守るためにはこれしかないんだ……』と言っておかないと、世間体的にまずい」

「まぁいい。話を進めるぞ」

「りょーかい」




 それから二人は打ち合わせを済ませていき。
 そして、青年は解き放たれた。
 世界を滅ぼすために。

 影からの――これまでに幾多の世界の≪養分≫と文明を食い散らかしてきた帝国のバックアップを受けて。
 恐ろしいほどのチートに狙われたのは、魔法先生ネギま! というタイトルの漫画になっている世界だった……










 だが、この二人は知らなかった。
 青年に、致命的なほど、数奇極まるほどにアンチする才能がないことを。
 どれほど冷酷非道に原作を捻じ曲げようとしたって予想外の結末に向かってしまうことなど知る由もなかったのだった。


 
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