言の笹舟 web小説レビューサイト

 ここでは私の趣味嗜好を基準にネット小説をご紹介させてもらってます。
人気小説・ランキング上位のもの・捜索依頼されているものなどを読んで、気に入ったもののみレビューします。
2013年はこのブログだけでなくやる夫スレでも頑張っていきますよー!



NARUTO~湖面に揺れる子供たち~ シカマル?

 これは原作終わったら連載開始を予定しているNARUTOの二次創作の下書きです。
 中々完結しないので、ちょこっとずつメモを公開していきます。
 ただ、連載のときそのまま使われるとは限りません。
 拍手のお礼拍手によくあるIF展開のssと思ってもらってかまいません。

 正式に投稿するとき参考にするため、コメント・お意見は大歓迎となっています。子供のように喜びます。

 今回は「閉ざされし、されど鍵ある扉」の101の部分をリメイクしたものの冒頭部分です。









 朝とは言えない、けど、昼ごはんには早すぎるという時刻――少年はのんびりと呟いた。

「…………平和だなぁ」

 耳に入ると気の抜けるくらいリラックスしまくった声。
 元々、年齢相応の活発さとは無縁の性格。せっかくの休日に手裏剣の練習をするとか学習用の巻物を広げるとかのそういった向上心を見せることはありえない。そのためにアカデミー生にしては筋肉のついていないほうで、常にマナコは眠そうで、頭良さげに見える要素はまったくなかった。まぁ、アカデミーのドベらしい人物と言えるだろう。
 ゆっくりとお茶を一啜り。

 ずずっと。

 無駄に腕を磨いているため、その湯呑の中は子供の入れたものとは思えないほど旨みと苦味を引き出されていて、ついでに茶柱が立っていたりして、さらに言うならば茶葉はけっこう上等なものを使っていて……横にはちょこんと栗饅頭。この春という季節、栗は季節はずれとはいえ、長期保管用の渋皮煮とつぶあんの相性を持ってすれば、子供一人を幸せの絶頂にいざなうことなどいとも容易いことで。

 要するに平和だったのだ。

 ふわぁっとあくびを一つ。
 少年の脇には『週刊棋王~あのカシマ名人の棋譜特集~』と銘打たれている雑誌と将棋盤が置かれてあった。雑誌に載せられている詰将棋は終わってしまったのか、卓上に王将の姿はもはや無い。複雑に睨みあう二つの陣営にどのようなドラマがあったのかは判らない。ただ、擦り減った駒らに見るにそうとうの激戦だったのだろう。すでに終わっているとはいえ、子供向けの入門編には絶対に現れないある種の空気の残滓を残している。
 だというのに。
 将棋に詳しいものなら目をみはる棋力を身につけているのは十歳にようやくなったころの少年で。
 その気だるい様子に、英才教育を受ける者特有の雰囲気は見当たらない。
 むしろ、のどかな農村の子供に見られる牧歌的な生活スタイルに染まりきっているようにしか見えなくて。

「…………」

 本人はじつに幸せそうに雲を見上げている。
 そして、思い出したように栗饅頭の小皿を手にとった。
 すぐにガバッといくことはない。
 饅頭に奪われる水分の量を見越して、お茶をほんのわずかしめらす程度に口へと含む。
 もちろん食べ終わったあとにはまた飲むものの、この一口は饅頭に対する礼儀として欠かすことはできない。
 口に詰まらせ、噴き出すなんていうことは最大の無礼ることなのだから。
 ゆっくりと至高の美味を受け入れられる状態に整えていく。
 味覚を鋭敏に保つため、呼吸を、鼓動を、全てを、舌のために揃える。
 指先にかかる重みに反射的に蘇る記憶を丁寧にあじわって。
 この一瞬は少年にとってはとてつもなく大切だということを示すかのように――

「食うか」

 誰に向けているのか宣告をして。

 だが。

「シカマルぅー!」

 女の子の――塀に鉤付き縄をひっかけつつの呼び声に中断されるのだった。




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