言の笹舟 web小説レビューサイト

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魔法開発物語 幕間 魔法の基礎



 魔法を行使するうえで必要とされているのは【媒体】・【刻印】・【詠唱】とされている。

 ――魔法ごとの条件を満たしている素材。
 ――その素材に刻み込んでおく魔法陣。
 ――で、その【媒体】と【刻印】を組み合わせてあるマジックアイテムを発動させる呪文の【詠唱】という三つだ。

 俺がとくに重要だと思っているのは【刻印】だったりする。








 媒体?
 高望みしなけりゃ、けっこう緩い条件の素材でもいいっていう魔法なんかはいくらでもある。
 例えば、朝食のコーヒーがちょっと温くなっていたとする。
 そういうときは食パンにささっと目玉焼きの黄身で魔法陣を書いていき、≪加熱≫の魔法を行使なんかしちゃうわけよ。

 呪文?
 ありゃ、魔法を使うときの自己暗示+「精霊と言った言わないで問題にならないようにするため」のポーズにすぎない。
 昔は「んなこと頼んでねぇよ。てめぇが勝手に動いたんだから魔力なんか支払わねぇよ」というケチなのがいたらしく――
 現在だと、精霊界との取り決めで、ちゃんと詠唱することを契約文とするルールになっている。
 だからそれっぽいことを言っておけばなんだって発動するのだ。

 だが、刻印だけは違う。
 どんなに詠唱を芸術的に素晴らしいものにしようとどんなに最高級な素材を使おうと。
 魔法というのは刻印の中にある構文にないことは実現しない。絶対にな。
 たとえどんなに一心に願おうと刻印にない効果は発動することがない。
 なにか新しい魔法をつくろうと思ったら刻印の開発が不可欠だ。

 そしてまぁなんだ――俺はその刻印研究の天才なわけよ。

 魔力保有量は、Bランクと魔法使いとしちゃ中の上にすぎないんだけどな。








 刻印(ルーン)と研究というのはいくつかのタイプに分かれている。


 一つは、古代ルーンの研究。
 大昔には使いたい魔法のイメージから刻印を作成する技法があったらしく、ぽんぽん刻印が作られていたらしい。
 が……これをそのまま再現するのはひどく難しい。とにかく複雑なのだ。

 例えば、発掘された古代ルーンの説明書きに『Aという学校に所属する教師にのみ使え、学校の敷地内だということを証明するBという結界内でのみ発動できる、超危険なCという攻撃魔法を疑似的に幻術として再現する魔法。ただし、命に関わるほど魔力が少ないときには発動しない。ただし、Dという警察組織のEという禁止結界の中では発動しなくなる。ただし、…………(以下、当時の法律によってすべての魔法に課せられていたルールが並べられている)』があったとしよう。
 しかし、その説明書きのどの部分が刻印のどの構文に該当するかは現代人の俺たちにはさっぱりとわからないわけだ。
 けれど研究を重ねるうちに『ただし、命に関わるほど魔力が少ないときには発動しない』などの、安全装置としては優秀な構文を見つけられ、他の魔法に組み込めるかもしれない。もしかすると超危険なCという攻撃魔法を幻術ではなしに再現できるかもしれない。困難ではあるけど、時間をかけて研究していけばいつかは確実に成果を出せる分野だ。
 とはいえ、ご丁寧に説明書きがセットで見つからなかった正体不明の刻印なんていくらでもあるし、説明書きは古代語で書かれているわけだから翻訳時のニュアンスによってはとんでもない勘違いができてしまうことがあったりと、いろいろと困難はあるわけだ。

 この古代ルーンの研究は、とにかく多くの構文を知っていないとさっぱりと進まないので、ある程度の年齢を重ねた術者じゃなければ勤まらない。
 いくら天才の俺だって興味はあるけど関わったことのない研究方法だ。


 他には、新しい構文の研究。

 これは古代文明にあったとされる「望んだ魔法のイメージに沿った刻印を作成する」魔法の、不完全バージョンを用いているらしい。完全版は現代に伝わっていない。だがまぁ不都合のある術式を無理矢理扱っているだけに事故が多発するらしく、専門の国家資格をとった術者が、周囲にまったく人気のない辺境でのみ研究が認められているのだ。
 俺がやろうとしたら相当な違法行為になるのでやっていない。面白そうなんだが……




 長々と説明してきたが、俺の得意分野は最後の一つ――既知の構文の組み合わせの研究だ。
 ただまぁ専門だけあってこれを説明しようとすると長ーくなっちまうから。
 今はやめといたっていいよな?

 ということで、俺は構文の組み合わせパターンを研究しているってことだけを覚えといてくれ。

 あと最後に――【刻印】の研究はすっごく儲かるらしいぞ?




 
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