言の笹舟 web小説レビューサイト

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人気小説・ランキング上位のもの・捜索依頼されているものなどを読んで、気に入ったもののみレビューします。
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SKILL COLLECTOR 【H×H 二次創作 現実トリップ】[04-助言 2-]

 ジャポンとアイジエン大陸の最西端を結んだ直線の中央にある海上。

 このポイントに、とある島があることは表向きには公表されてはいなかった。

 念を修行中の高弟や本能的にオーラを行使する魔獣などが押し込められた人工の秘境――幽玄島。

 ここに百の念能力を習得したという逸話を残すことになる"伝説のスキルコレクター"が生まれようとしていた。

 この物語は、念の秘密を解き明かさんとあがく一人のトリッパーの物語である。







「いや、まさか闘うことにはなるとは思わなかったよ。こんなにすぐには」

 カジキは向き合っている少年にそう告げた。
 少年――ルッケルは、緊張を吐き出すようにゆっくりと呼吸を押しだすとあたりを見回した。
 がらーんと広がっているコロシアムに二人は立っていた。

 観客席ではキサキ・ガジリン・エレナの三名が見守っている。

 その情況を己の中に焼き付けるかのように一度瞼を閉じたルッケルは、ややして、目を開けると礼をした。

「カジキさんの試合のビデオは見せてもらいました。だから、俺の最終試験に付き合ってもらえるなんて……とても光栄に思います」

「お世辞はいいよ。というか、あのビデオはアナウンサーついてたりいろんなカメラの映像を編集していたりで、試合を美化しまくっているんだよ。売るために」

「だとしても。モニター越しに伝わってくるオーラは本物でした!」

 真正面から見つめてくるルッケルの瞳はきんきらと輝いていた。
 まるで憧れのスポーツ選手に出会った少年のようである。

 まぁ、コロシアムの人気者のカジキはまさにそのポジションに相応するのだが――
 カジキは気取られないようしていたが耳まで真っ赤に染まっていた。

 普段から観客席はがらがらになっているように見えるようにして戦ってきたため、こうダイレクトに言われると耐性がないのだ。
 試合直前、コロシアムに向かう途中に応援されるといつもカジキはこのように照れまくっていたりする。

「い……いや、僕なんかはけっこうせこい手を使っている卑怯者だよ?」

 だから自分を卑下するようなことを言い出す。このへんは日本人らしさの表れだった。

「師匠は言いました。戦いには虚虚実実の駆け引きが大事だと。そして、新人層の中で一番駆け引きがうまいのはあなただと」

「ガジリンさん、余計なことを……」

 観客席にいる男をちらっと見やってカジキは忌々しそうに呟いた。

 件の大男はわっはっはっと豪快に笑いながらこちらに手を振っていたが。
 おそらく、彼にぼやきが聞こえていたとしたって笑い飛ばされてそれで終わりになってしまうだろう。
 そういう男だった、ルッケルの師匠のガジリンは。
 顔のタイプは国が違うのか明確に違っているのにウボォーギンの兄弟と説明されたら、あー、と納得してしまう体格。

 あれが強化系じゃないのだから、と、カジキは改めてヒソカ流性格診断を信じないことを心に決めた。

 一度がっくりと肩を落としてから気持ちを切り替え、ルッケルと対峙する。

「じゃあ、君の個別能力はほんとうに実戦レベルに達しているのか、最終テストを始めるよ」

「――押忍!」

 ざざっと、地を蹴る音が重なった。














 何故こんなことになっているかというと話は昨夜の飲み会にさかのぼることになる。


 二人の来訪者の印象は実に対照的だった。

 昼間に出会った少年、ルッケルはちゃんと身なりを整えてきたらしくランニング時にはぼさぼさになっていた髪がクシを入れられていた。そうしているとすっと整った顔立ちをしているのが際立っている。カジキは、あと八年くらいしたら韓国スターとしておばさんたちにキャーキャー言われそうだな、という感想を抱いていた。
 背丈のほうは恵まれてはいないものの年齢的にチビと言われるほどじゃない。平均のちょっと下くらいだった。
 武芸の稽古に励んできただけあって体のほうは引き締まっている。
 黒い瞳は理性的に輝いていて、トラウマによって落ち込んでいた時期のことを感じさせない。
 きびきびした動きは小気味よくあると人に好印象を与える少年だった。

 キサキの飲み友達、ガジリンは2メートルの大台に10センチ上乗せされた巨躯だった。
 特注の黒いスーツを着ているもののシワクチャになっていて足の裾などは汚れているという酷いありさま。スーツの直接登山用の大型リュックを背負っているものだからもういっそ脱げと言いたくなる衣服だった。似合う衣装は別にあるだろうに……。ロシア系の顔立ちをしていて、くすんだ金髪のショートに済んだ青い瞳をしていてキャバクラとかにいったらモテモテになる、彫りの深い美形であった。が、全身を覆う丸太のようにぶっとい筋肉とむわーと漂う漢臭が美形というイメージを粉砕している。
 ボディビルダーとは根本的に異なる体つきをしていて筋肉はしなやかに躍動していた。
 おそらくはボクサーのように徹底的に質を追い求めるトレーニングをしていって、それでも、限度を超えた鍛錬によって量のほうに流れてしまった――そういう体だった。こういう大質量の筋肉は動きを逆に妨げるというが、極限までに柔軟性を追求されているだけあってゴムのように伸び、どんな姿勢だってとれそうである。
 体すべてを闘争の道具に磨き込んである野性的な大男だ。

 二人が並んでいる様子はなにか犯罪の匂いが感じられるくらいだった。

 美女と野獣ならぬ美少年と野獣である。
 ブルーチーズと同列に語られる女性陣に見られたらものすごい勢いでスケッチしそうだ。

 で、そんな二人は今――

「うンめー、うんめーなこれは! こんなにうまい煮付けは何年振りだっ!?」

「師匠、こっちのフライドポテトはまる味ですよ!」

「おおっ、そうかそうかならこの大皿の半分はもらっていくからな!」

「そうくるなら俺はこっちの皿を――」

 奪い合うようにエレナの手料理を貪っていた。というか、もろに奪い合っていたりする。
 箸によって格闘するほど下品ではないものの凄い勢いでかっこんでいく。

「おまえらはどこの欠食児童だ」

 テーブル一面に広がる料理の数々に胸やけした感じのキサキはそう呟いた。
 もう夕食はとっているため、スティック状に切り分けられた野菜を口に咥えるにとどめている。

「そういうなよ。これまで雇い主の好意とやらで毎日高級料理を食わされてきたんだ。こういう味が恋しいんだよ。って、ルッケルとりすぎだぞ!」

 ガジリンが答えている間にルッケルは追加のチャーハンをごそっと頂いていた。

 さらに数点、おかずになるものをごはんの上にのっけて確保する。

「空港のハンバーガーにも泣きました! それ以上に、こういう手料理は久しぶりですからとっても美味しいです!!」

 と満面の笑みで答えていた。
 日本に直すと高校三年生くらいになるのだろうがスレてないので笑顔が輝いている。

「――追加をお持ちしました」

 と、そこで大皿を持ったエレナが現れたので、カジキは空きつつある皿の料理をまとめていって置くスペースを作る。
 今は大半が食いつくされているものの、キサキの「軽い食事を二人前」という言葉を前提に用意していては絶対に準備されない量である。
 そう……誰かの言葉を端から疑ってでもいなければ。

 新たにエレナが持ってきたのはローストビーフっぽいもので、とりわけのためのナイフが一緒にある。

 カジキにはどこをどう見たってローストビーフにしか見えなかったが、微妙に異なるらしい。岩塩の種類や一緒に漬け込んである香草、ソースの種類などが違っているとか。第一、ビーフではなくなんかの魔獣らしいから比較するのは無意味だった。ガジリンさんが手土産に持ってきた生肉をエレナはぐしぐし鉄串を刺していって手早く調理してみせたものだった。

 さっそくガジリンさんが一切れをぱくっと摘む。

「うまいなー。この肉は毎日のように食ってきたんだけどよ、こんなにうまくなるなんてほんともったいないことしてきたなー。あんた、いいお嫁さんになるって、こりゃあ絶対だな!」

「いえいえ、女にとって料理を作れることくらいは当たり前のことですからそんなに自慢できることではないですよ」

「そんなことありませんよ。今の時代、美味しいものをつくれる女性は貴重ですから! 素敵ですって!!」

 肉をてきぱきと切り分けていくエレナは素直に称賛されて、かなりの上機嫌だった。
 隣のサラダのように包丁入れるだけの料理しかできない女は不機嫌だったが。
 ぶるぶると握り拳が震えている。

「そういや嬢ちゃんはキサキの新しい弟子なのか?」

「いえ、私は――」

 エレナは視線をすっと流れるようにからあげをぱくついている男に向け。
 それに話の流れから気付いたカジキは後を引き継ぐ。

「彼女は、フォーランさんのところのお弟子さんで、僕と結婚を前提にお付き合いさせている仲でして。この家にはよく料理を作りにきてもらっているんですよ」

「あのフォーのところの弟子か。しっかし、めでてー話だな。こんなぺっぴんかつ料理のおいしい奥さんを手に入れるなんてな」

「カジキさんは幸せものですよ。こんなにお綺麗なかたと付き合っているなんて――羨ましいですよ! 押忍!!」

 カジキの大胆告白に餌付けされた二人の祝福が続く。

「そんで、挙式はいつごろになるんだ?」

「絶対にいかせてもらいますよ!」

「来年のハンター試験に参加する予定なんで無事合格したら式場を捜そうかと……」

「そりゃ絶対に合格しなくちゃ男じゃないな!」

「カジキさんだったら絶対に大丈夫ですって!!」

 と、ここまで話が話を盛り上がってきたとき話に参加しなかった一人が限度を迎えた。

 ゴンっとテーブルが打ち鳴らされる。

 何事と視線が集まったところでキサキはふんっと鼻を鳴らした。

「それで――ガジリン。今日はいったいどういう用件なんだ。この島に戻ってきたその日にきたとなるとなにかあるのだろう?」

 それまでの流れをなかったものかのようにキサキは問いただす。
 やはり、一番最初に立ち直ったのは年配かつ名指しされたガジリンだった。

「おお、あー、それでよ。実は坊主をちょっと借りたかったんだわ」

「どういうことだ?」

「――実はな。護衛ついでにそこのルッケルに稽古をつけてきたんだがよ。ようやく能力がかたちになってきたんで、てきとうな能力者と戦わせようと思ったわけなんだが……そんなときにそこの坊主のビデオを見る機会があってな。いろんな能力を使っているなら実戦経験を何人分も積めるってことだろ? それに、能力の案を出した張本人なんだから秘匿を気にすることないしよっ」

 と、ガジリンがお礼に渡せるものの条件を話そうとしたところで。

「かまわんぞ」

 まさかの即答だった。
 もちろんのこと答えたのはキサキである。

「そか。だったらさっそくなんだが明日はどうだ?」

 ガジリンもそのことを当たり前のように受け止めてさくさく話を進めていく。
 弟子は師匠に絶対服従――そういう武の世界らしい展開である。
 だからこそ。

「そう言っているが、明日は空いているのか? カジキ」

 カジキに許されるのはスケジュールの調整くらいだった。

「明日は、はい、空いてますよ」

「だったら決定だな」

 最後まで決定権を与えられなかったことにカジキはがっくりと肩を落とした。
 弟子の悲哀さを噛みしめる。

「えっと……なんかすみませんです」

「いや、別にいいんだけどね。一人でも多くの能力者と戦うことは僕の研究に役立つし、面白いし」

 明日かぁ――そう呟いたときにはもうカジキの頭の中は、無数に思考錯誤される戦闘パターンに埋め尽くされていた。
 長期間悩むことのない男である。
















 翌日の試合開始直後。

 まずは肉弾戦と言葉を交わしたわけではないのに二人の思考はシンクロしていた。

 闘争の空気は、無言のまま試合を作法を示していたのだ。


 轟音。
 無造作かつ一直線に突っ込んでいったカジキの崩拳とルッケルの十字受けが大地を揺らした。


 ――あらゆる反撃に対処できるから突き進む。
 ――あらゆる攻撃に耐えられるから待ち構える。


 相反する戦闘理論同士の激突は、より多くのオーラを振り分けていたルッケルに分があったようだった。
 とはいえ、カジキは逆に手を傷めるほど愚かではなかった。
 うまく攻防力をコントロールして拳をガードしている。

 一手目は、互いにオーラを消費してのノーダメージに終わった。
 が、これは五分五分だったわけじゃない。


 カジキは強化系寄りの放出系。強化系の技能は85パーセントの威力・精度にて行使することができる。
 一方、ルッケルは具現化系。一番強化系に近い、変化系寄りだったとしても70パーセントが上限となっている。

 倍率に劣るルッケルはカジキ以上にオーラを用いなければならないのだ。


 さらにこの倍率の話には続きがある。

 肉体に"纏"のオーラを上乗せしたときの攻撃力というのは単純に『物理攻撃力+霊的攻撃力』と表せるものではいなのだ。
 そのときの感情や威力・精度の倍率などの計算をすべてしたあとのを『霊的攻撃力』としてもそうはならない。

  総合攻撃力=物理攻撃力+霊的攻撃力×(物理攻撃のランクごとに決められる倍率)
 
 簡潔に表現するとこういう式となる。

 オーラを扱えるだけの、格闘技はやったことのない素人がてきとうに振り回したときの拳と。
 何十年と修練を重ねてきた達人が功夫を詰め込んだ一撃にオーラを宿したもの。

 強化系の適正やオーラ量がまったく一緒だったとしたって、明らかに差が出てくる。
 たとえ、前者の素人が数倍のオーラを込めようと後者の達人には太刀打ちできないのだ。


 そして、カジキとルッケルに話を戻すと。

 カジキは加速をつけるために助走をつけたあと崩拳を放った。
 ルッケルはその場を動くことなく待ち構えていた。

 これでカジキが体術の素人ならともかく、師匠のキサキの指導によって、無駄な動作を削ぎ落と――否、『切り落と』されてきたカジキの体術はどこに出しても恥ずかしくないものに仕上がっている。「苦痛こそ最良のサプリメント」という、肉体作りのためにプロテインなどを注文しようとしたのを止め、訓練場に引きずって行ったときの言葉に、彼女の教育方針は表わされている。
 カジキの肉体と幾多と刻まれてきた切創はごくごく平和の国にいたハイスクール入学前の子供を、一人前の男に育て上げたのだ。
 五年かけて。

 一方、ルッケルはまだガジリンに拾われてから四年目と格闘技歴はやや短い。
 特別武術の天才児というわけじゃなかったため、ルッケルは修行は積んでいるものの体格差の不利を覆せるほどの神業は習得できていなかった。
 むしろ物理的な打ち合いには負けているので多くのオーラを余計に注ぎ込まなければならない。

 よって。
 長々と説明することになったけど。

 この最初の激突のみで、ルッケルはカジキの約2倍から3倍のオーラを消費したことになるのだ!

 カジキの研究データと経験則からはじき出されたこの数値には間違いはない。
 よっぽどのイレギュラーがない限りは。






 二度三度と肉同士がぶつかりあう。

 殴って、蹴ってと猛攻を続けていくカジキが一方的に攻め立てる展開になっていた。

 ルッケルはどうにか多めのオーラを割り振ることで耐えているものの、折をみて繰り出されているカウンターはさらにカウンターを合わされたりと翻弄されている。
 根本的にリーチ差が両者の有利性を決めていた。
 それに、カジキはどうも"円"を使っているわけじゃないのに完全にルッケルの行動を把握しているみたいだ。

 これではあっというまに勝負が決まってしまいそうだ。
 守勢に回っているため余計にオーラを消費することになっている分、ルッケルが力尽きるのは目前のようだった。
 戦闘時というのは通常の六倍のオーラを使うことになると言われているのだ。

 まだ念能力者としては成長途中のルッケルに長時間"堅"を維持できるスタミナがあるとは思えない。

 なのに――

 先に息切れを起こしたのはカジキのほうだった。
 ほぼ無呼吸状態のまま押していっただけあって疲れてしまったのか、距離をとって、呼吸を整えようとする。

 その待ち望んていたチャンスをルッケルは見送った。
 
 勝ちを決めるのならば見逃さないのだろうかはこれは試合という形式のテストである。
 愚直に付き合ってくれたカジキをここで追撃するほどKYではないルッケルだった。

「ふー……こんなに攻めたって電池切れにならないってことはほんとうに完成させているみたいだね」

「ええ。カジキさんにアイディアを貰った効率のいい"堅"っぽいもの、できるようになりました」

 そう言ったルッケルの体は試合開始時からずっと変わらない力強いオーラに包まれていた。
 常にオーラは補充されているのか一定量に保たれている。

 カジキの攻撃を無効にするほどの"堅"を五分以上――ありえない記録だった。
 通常の出力ならそのくらいの時間はできたっておかしくはない。
 けど、常時カジキの攻撃に耐えられるほどのオーラを維持している場合のタイムとしてはおかしすぎる。

 普通の念能力者だったら、これほどのオーラを込めるのは攻撃がくるとわかって覚悟したときくらいだ……じゃなければ持たない。

 ということはなんらかの秘密があるということを示している。

 といっても、そのアイディアを提供したのはカジキのためにほとんどわかっているのだが。
 問題はどういうアレンジを加えられているかだった。

「第一案と第二案を出したはずだったけど、第一案――服を具現化しているわけじゃないみたいだね。強化系じゃなくたって効率よく"堅"を扱えるようになる能力には服はぴったりだったんだけど」

「この服が……具現化じゃないってどうしてわかるのですか? "堅"のオーラにまぎれて見分けはつかないはずですが」

 ルッケルの顔に驚きがそのままあらわれた。

「別にオーラを識別する方法は目に"凝"や"円"だけじゃないんだよ。ちょっとコツを掴めば、触ったときの感覚から、その品が"周"されているだけなのか、操作系の媒体なのか、具現化されたものなのか――この三つを判断できるようになるんだ。あとは殴ったときついでに調べればいい。触ってわからないものはそうはないよ」

 どの五感によってオーラを認識するかによって、他の感覚ではわからなかった情報を掴めることはよくあることだ。
 視覚に"凝"では、操作系と具現化系の見分けはつかないけど触覚に"凝"ならできる。もっともこの二つの系統のアイテムを触るっていうのはそうとう危険な行為ではあるが。

 便利なのは、声や足音などからその人がどのくらいの"纏"をしているのか計れるということだろうか。
 壁の向こう側などの相手の力量を探るには役に立つ技能だった。

 そういった念の豆知識をはさみながらもカジキの語りは続いていく。

「服っていうのは、日常的に着ているものだから長時間"堅"を維持するにはぴったしのシンボルだけど、平和的すぎるからね。戦闘向きじゃない。護身という闘いのための能力に使うには適していなかった。
 だから第二案を用意したんだけど――本当にできるかどうかは半信半疑だったんだよ。でも、見事能力に昇華させてみたいだね」

「最初にお聞きしたときにはできるはずないと思いましたよ。
 けど、俺の故郷では、鍛冶職人の家系は代々神官を兼ねていましたから心のどこかでできたらいいなとも思いました。だから、そのころの経験を元にイメージ修行をしていったら……案外とこの『道力』を身につけるのは難しくありませんでした。これもすべてはカジキさんのアドバイスがあったおかげです」

 そういって深々と礼をするルッケルのオーラは揺らぐことなくそこにあった。
 これほどオーラを維持できるということは考えられない。

 ――なら、これはオーラではないのだ。

 カジキはゆっくりと口を開くと核心部分を言の葉に乗せた。

「オーラによってオーラとは異なる精神エネルギーを具現化する。
 口で言うのは容易いけど……実際にみるとちょっと感動するくらいの神業だね」






【ルッケルのこういう能力はアリなのかナシなのかどうなのか考えてみてくださいな♪】




 
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