言の笹舟 web小説レビューサイト

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NARUTO~閉ざされし、されど鍵ある扉~ 112

 日向ヒナタ。
 名門日向宗家の嫡子らしいが、大人しい性格をしている少女。
 肌を見せることを好まず、たいていジャンパーのようなものを着ている。同世代の女子より胸が膨らむぐらいには発育が良く、それがさらに引っ込み思案の要因になっているのかもしれない。
 クラスメイトとなったばかりだからナルトとの関わりはとくにない。イルカの依頼がなければ、最低限の会話しか交わさず卒業することになっていたはずだ。
 だが、何の縁だがナルトが面倒が見ることになった。
 ちなみに、ちょっとだけナルトより背が高い。







「まずは、オレの戦い方を見せておこう」

 アカデミーにある訓練場の一つ(ちょっとした草原)に移動すると、ナルトはそう提案した。
 どのような稽古をするにも、まずは師匠の力量を見せておかないと弟子の意欲が湧かない。イルカとて、普段はフレンドリーに生徒と接しているが、初日には中忍たる実力を見せつけている。そうすると尊敬され、効率よく授業を進められるのだ。
 そのことをナルトが自覚しているかはともかく、有効な手段なのは確かだ。
 約二メートルの間をとりながら、二人は向き合った。

「打ち合うのが手っ取りばやいな、ヒナタからかかってこい。安心しろ、手加減はしてやる」

「は、はい。……あ、あの、いいんですか?」

 ヒナタは左半身に構えたけど、ナルトは突っ立ったままだ。無防備な人に打ち込むことに抵抗があるのか、躊躇したヒナタは尋ねた。

「人を心配するのか? 余裕があるな」

 ヒナタのためらいを感じると、ナルトは歩きだした。すぐ前にいるヒナタなど見えないように、ちょっと散歩に行ってくる、とかいった声が聞こえてきそうなぐらい自然に。
 そのまま足払いを仕掛けられたのに、ヒナタはまったく反応できなかった。

「――えっ?」

 きょとんとしたまま尻餅をついたヒナタに、ナルトは手を伸ばす。
 転んでしまった女の子には手を貸すのが当然。そういった雰囲気のまま、ナルトは心臓目掛けて拳を突きだした。
 ゆっくりなぐらい遅い動作だったのに、ヒナタはなされるがままだった。押されたから倒れ、背中を地面につける。痛みはなく、だからこそ何をされているのか理解できていない。ナルトはのしかかったまま、軽く拳を突き刺している。

「ん。心臓破裂――即死だな」

 ナルトは拳を引きながら無感動に告げた。ヒナタが立ち上がるのに今度こそ手を貸しながら、柄にもない指導をはじめる。

「模擬戦とはいえ、敵対関係ははっきりしていたはずだ。先手はとれたのに仕掛けなかったのは何故だ?」

「え、えっと、その、まだ準備ができてなかったから」

「誰の、だ? 構えただけでは準備は足りないのか。それは変わった拳法だな」

「う、うぅ……」

 淡々と、責めの色がない。それだけに鋭いナルトの指摘に、ヒナダが泣きそうになった。
 いきなりのことに止まった脳味噌が一気に溶けたから、情緒不安定になっているのか。とにかく、あったことを正確に認識したためにヒナタは泣きそうになった。
 イルカならここで罪悪感を感じるだろうが、ナルトに容赦という概念はない。

「死にたくなかったら攻撃しろ。別に、敵を皆殺しにしろとは言わない。気絶させる、動けなくする、脅す、痺れさせる、足の筋を断つ、骨を折る――戦闘不能にする手段はいくらでもあるはずだ……待て、顔を赤くするような話はあったか?」

 ナルトがつい教育を止めるほど、ヒナタの顔は真っ赤になっていた。

「え、だ、だって……ナルトくんの手が……む、む、むぅ、なんでもないです」

「――? よく、わからないな」

「い、いいから! 話進めて、ね?」

 なぜか必死なヒナタに、ナルトもとりあえずうなずいた。

「これは、いいこととして話を進めるからな。とにかく、敵に遠慮するな。まだ死にたくはないな?」

「う……わからないんだ……私なんか対象外だもんね……そうだよね」

 ヒナタの懇願のままに講義を再開したが、なぜかヒナタは落ち込んでいた。
 すっかり集中力を欠き、授業にならない。
 仕方なく組手を開始したが……なぜか、そのたびに真っ赤になられ、中断する。
 それを経験の浅いナルトには解決できず、結局修業は早めに終わることになった。

「ご、ごめんなさい。私のせいで、一日ムダにした……」

「別に、構わないが――明日までに気持ちは切り替えておけ」

「う、うん。わかった」

 そんな反省会があって、初日は終了した。


 その放課後。

 服屋の一角にはなぜか、母親に連れられたヒナタの姿があったとさ。




 
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