言の笹舟 web小説レビューサイト

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ハンターハンターの謎を解明していく手記Ⅰ ≪具現化系の謎について≫



 百の念能力を習得したという逸話を残した"伝説のスキルコレクター"がいた。

 その男の名は波瀬カジキ。

 彼は二十代頃は活発的に活動をしていたものの三十代になってからの行動はほぼ謎に包まれている。

 だが、我々は彼のものと思われる手記をとある奇運の下に入手することができた。

 公開するにあたって、1ページにつき10億ジェニーを徴収させていただくもののその価値は十分にあると我々は確信している。

 では、我々≪アレキサンドライト倶楽部≫一同、皆様の会員登録をお待ちしている。5名までの情報共有は認めるゆえ奮ってご参加ください。







 具現化系というのは、もっとも説明をつけにくい系統だと念学者たちの間では言われている。

 系統というのは、六性図での、己の適正の向かい側にある系統を使おうすると著しく効率は落ちるというのが定説だ。

 放出系は具現化系の能力を使えず。
 変化系は操作系の能力を使えず、その逆も然りだ。

 まぁ、特質系は別にレポートを作らなければならないほどの例外のため、ここではとくに触れることはないが……
 特質系の反対に位置する強化系は、特質系の両隣の具現化系と操作系を苦手としているのは間違いない。


 ――では、具現化系の能力者は放出系を不得手にしているのだろうか?


 これまでの理屈だと苦手としているのが自然の流れに思える。

 しかし、能力者達を調査していくと驚くべき結果が現れた。


 極度に二極化しているのだ!


 大半は、具現化しているものは能力者の周囲から離れると消えてしまうという調査結果が得られた。
 が、ごく少数ではあるものの、距離の制限をほぼないものとしている能力者はいたのだ。

 具体的にいうと、放出系の私が念弾をコントロールできる範囲の倍以上の距離を軽く超えて具現化させていられるのだ。
 こうなるともう「苦手な系統をよくこんなに鍛錬したね。頑張ったんだ」では片づけることはできない記録である。
 
 最初は、放出系というのは偽りじゃないかと疑った。
 放出系なのに具現化系を使える、具現化系なのに放出系を使えると考えるよりは、例えば、強化系寄りの変化系だから具現化系と放出系をバランスよく行使することができる……そう考えた方が合理的だったからだ。しかし、水見式をしてもらったら水の色が変わったし、その個別能力は見事なものだった。後日、適正を調べることのできる念能力者に調査してもらったが具現化系という結果に終わった。

 なにか秘密があることは間違いなかった。
 しかし、そのキーとなる部分はどうも本人にすら理解できていないようである。




 具現化系にはさらなる秘密が眠っている。

 具現化させた品には特殊能力をつけられることは有名な話ではあるが……その幅の広さは改めて検証してみると凄まじい。

 ――念弾を打ち出すことが可能となっているモデルガン。
 ――ぶったたくと同時に電撃を流し込む鉄槌。
 ――観たものをことごとく誘惑できる扇情的なランジェリー。
 ――かけると怪力になれる金縁眼鏡。

 系統という分類をすることすらバカバカしくなってくるレパートリーである。
 これらは具現化系から離れているからパワーダウンしているかというとそうでもなかったりするから話はややこしくなってくる。
 具現化した品というワンクッションを置くだけでどんな系統の特殊能力でも行使することができる。
 このことは長年の謎とされていた。




 ここまでは多くの念学者たちが辿りついてきた内容である。

 具現化させたものは距離に関係なく維持できる。
 具現化系の付与能力の効果は系統の枠を超えて発揮することができる。

 この二つの疑問に辿りつくのはそう難しくはない。だが、解き明かしたものはいないとされていた。










 ここで、私の唱えてきた"概念""流転""顕現"の3要素をもとに考えていってみることにする。

 "概念"とは、「殴る」「斬る」「燃やす」といった概念にオーラを注ぎ込み強弱をつける能力である。
 "流転"とは、すでにある概念の活用法をオーラと引き換えに理を超えて決定する能力である。
 "顕現"とは、オーラを材料に新しく概念を創造する能力である。

 この"概念"と"流転"と"顕現"の三要素を説明するには時計をイメージしてもらえるとわかりやすい。

 強化系に代表される"概念"は――概念の強弱は――時計の電池を増やすようなものなのだ。
 直列につなぐか並列につなぐかによって、針の進む速度が速まるのか、電池切れまでのタイムリミットが伸びるかはかわってくるように、どういう風に"概念"を強化するかはイメージしだいになっている。ゆえに強化系はなにをどう強化するのかを常に考えることによって、まったく異なる戦闘スタイルを使い分けられるのだが……この理論を理解してくれる強化系はなかなかいない。いや、本能任せじゃない理論派の強化系はまったくいないわけじゃないのだけど、巡り合わせが悪いのが、こういう話をできるほど仲良くなれていなかったりする。師匠は強化系だけど……そ、その、サンプルにならないというか…………問題外?

 それはさておき。

 操作系に代表される"流転"は、時刻合わせねじを回すようなものなのだ。
 あとは、時計を持ちあげて別の位置に置く、他人の時計を盗んできて自分のものにするなどが分類される。これらは時計という機能そのものにはなんら影響を与えていない。ただ使い方や持ち主を変えただけのことなのだ。そのために時計本来の性能以上のことは引き出すことはできない。できているとすれば、それは他の"概念"や"顕現"を使っていると考えられる。

 これもさておき。

 時計本体は、"顕現"もしくは強化系の肉体や操作系の愛用品などといった媒体を意味する。
 これは"顕現"をメインに扱うのは具現化系だということを踏まえると想像しやすいと思うがわかってもらえるだろうか。
 他の系統は市販されている時計を買ってきていて、具現化系は時計を自作している。そう認識してもらえるといいのだが……あと、どっちみち材料は買ってこないとダメじゃんというツッコミはなしだ。
 そのツッコミはすでにされている。
 ちくしょく、もっといい例えを思いついてエレナを見返したいな。

 で、さておきをふまえると。

 実は具現化系の"顕現"は唯一、"概念"と"流転"の代用を果たせることがわかってもらえると思う。

 電池そのものを作ってしまえば"概念"は関係なくなってくる。
 電波に反応して自動的に針を回してくれる時計なんかは珍しくないし、セットされた時間になったら自動的に動き回るギミック時計だってあるため、"流転"の役割を果たせることになる。
 もちろんすべてというわけじゃないだろうが、"顕現"というのはけっこうそれだけで賄えてしまえるものなのである。

 攻撃力10の剣にオーラを注ぎ込み攻撃力20相応にするのは強化系。
 最初から、攻撃力20の剣を作ってしまうのは具現化系。

 本来勝手には動かない剣を独りでに宙を舞うようにするのは操作系。
 能力者の思うままに動くのが当然な剣を作るのは具現化系。


 一方、時計本体がなければいくら電池があっても時間を計ることはできないし。
 存在していない時計は、針を進めることも動かすことも盗むことはできないっていうのは当然の話である。
 まぁ、"顕現"の代用は物理的に存在している物体でできるのだが……

 この理論によって、具現化系の特殊能力にいろんなものがある理由は説明をつけられる。
 そういう概念のものを創造しているだけということなのだ。






 残るは、具現化系は長距離離れても具現を維持できる秘密ではあるが。
 これは単純に説明できる。

 放出系は「自分の体から離れているオーラを維持する技術」と言われているが、正確には「コアから離れているオーラを維持する技術」というべきものなのだ。
 具現化系は、具現するときは「自分の体」をコアにしていて、具現した後は「具現化された物体そのもの」をコアにしているのだ。
 そのために放出系の能力をほとんど使うことなく存在していられる。

 これらはごくまれにあるオーラの宿った品々にも同様のことを言うことができる。
 偶発的にできあがったのだろうけど、実際にコアがあることは、いくつかの品を調べていって確認済みの事柄だ。

 遠距離の維持をできない能力者は、具現化するものにコアを埋め込み、コアを切り替える、この二つの感覚を持てていないのだと考えられる。




 このテクニックは変化系に応用できるように思えるのだが、高度な"顕現"を必要とするためになかなかいなかったりする。
 検証するためには、そういう能力持っている変化系を見つけるか、達人クラスの能力者に協力してもらうか。

 これから個別能力を作ろうという新人に口を挟むしかないと思われる。

 いい巡り合いを期待したいものだ。






 この先、上記の理論を検証していく作業に入っていくのだがうまくいけばいいなと思っている。

 医療品を具現化できる能力者のみに伝えていければ多くの人が救われることだろう。

 凶悪なトラップに流用されることはないように気をつけていきたい。






【ルッケル君との試合にこんな説明挟んでいたらテンポ悪くなるので独立させてみました♪】




 
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